感性や直感を経営にいかしてみよう
私は公認会計士や事業再生として10年のキャリアを積んだ後、
すべてをやめて2015年にファッションブランドyucasii tokyo を立ち上げました。
転身するとき、大勢の方から反対をされた記憶と、
私が考える感性/直感と経営の話をさせてください。
そしてファッションブランドを立ち上げてからも、そんなやり方は通用するわけがないと、これまた大勢の業界の方から反対されました。
例えば、私のブランドyucasii tokyoは、黒い服を作らないと決めています。
しかし売り場のマーチャンダイジングの経験が豊富な方から、そんなことしたらほとんどが在庫が売れ残ると、こっぴどく怒られたものです。経験者ではない無力な自分が、大先輩のアドバイスに反論するなんて、あり得ないことでした。どうしても譲れない部分は最終的に理解をしていただきましたが、私の無謀なチャレンジに付き合いきれないと、怒って辞めてしまった方もいました。目標は同じなのに、仲間割れしてしまったことが悲しくて悲しくて山手線の中で一人で涙を堪えきれず泣いた日もありました。
でもいざ蓋を開けてみると、「他のブランドが同じようなデザインやカラーが多い中で、売れそうもない色ばっかりで面白い」とデビュー後すぐに伊勢丹新宿での催事が決まったのでした。そして当時ジワジワ増えてきた外国人観光客の方に、派手色が受け、ドバイやタイの富裕層の方々がお土産として買ってくれたりしたのです。当時は完全プロダクトアウトの商品だし1枚も売れないかもしれない、と本気で思っていました。しかし感性だけで勝負がしてみたかったので、売れても売れなくてもそれはつまり、私の感性を評価してくれる人がいたかいないか、という極めてわかりやすい基準なのでした。
売り場をいただけたことや、実際に売れたことは、もちろん力を貸してくれた周りの皆さんのおかげなのですが、この時「直感に従おう。素人だから見える本質を大事にしよう。自分を信じよう。失敗してもそしたら後悔しないじゃん。」という人生の教訓になったのでした。
沢山の社員を抱えておられる経営者の方は重責から、
ロジックは?根拠は?マーケットインのサービスや商品を。と何か根拠にすがりたくなるのも当然と思います。
しかし、それでは皆似たような答えに辿り着いてしまいます。情報が溢れ戦略すらもコモディティ化してしまう。。これからはちょっとした感性のエッセンスを入れて逆張りに行ったり、直感を信じてみることが、想像もできなかった顧客の潜在的ニーズにアプローチできるかもしれません。
これからは感性の時代。そして、もっと自由に生きていい。きっと私たちは今後AIが発展し暇になります。もっと自由に遊ぶことを今からしていなければ、遊ぶ筋肉が衰えてしまうと思ったりもするのです。なぜテキーラバーをやっているのか?もここに理由があります。
https://logmi.jp/business/articles/321349
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データや左脳の行き着く先は皆同じ答えになります。つまらないし、それだけじゃもう勝てない。左脳はツール、軸は右脳。
直感を研ぎ澄ませ、右脳的アート的感覚を大切にしながら、左脳を最大限駆使して、勝負したいものです。企業のNo.1(CEO)が右脳型なら、No.2(COO)は左脳型、など役割分担をし長所を生かし合うのも良い方法です。
ほとんどの商品やサービスは沢山の情報や分析をもとにコモディティ化、同質化しています。再現性のない手仕事やクラフトが見直されてきたりもこの流れですね。その時にしか味わえないって本当に素敵なことです。たまには手紙を書いてみたり、無駄と思える中に新しい発見があるはずです。